ゲンキンな人

母の英語のお勉強の日。
悪太郎は託児室であずかってもらう。
部屋の前に来ると、他の子供がママと離れるのが嫌で泣いている声が聞こえてくる。
悪太郎もそれを聞いて、不安な顔で母の顔を見上げる。
とりあえず、中に一緒に入る。
甘えてしばらく、母のひざにべったりくっつく。
母はおもちゃで悪太郎を誘惑して、おもちゃにくぎ付けにして、そのすきに部屋を出た。
授業中、遅れてきた人が悪太郎が泣いていたと、言ったので、迎えに行くときちょっと不安だったが、迎えに行くと、彼は、ブロックの入っていた、大きな箱の中に入っていた。
箱の中に入るの大好き。
他のママたちに「かわいー。」と言って笑われた。
そのうえ、テレビを見て、のりのりで踊っていた。
心配したのに…。
まっ、いっか。
今度は帰るのに、服を着せてくれない。靴下をはいてくれない。
来るときは入るのを嫌がってたくせに、帰る時は帰りたくない。
本当に子供って…。というより、悪太郎って。
もう一人の泣いていた子は1時間ずっと泣いていたらしい。
うちもそんなときが来るのだろうか。
「嫌われるより、いっか、」とその子のママは言っていたけど…。